令和4年8月4日
長野県諏訪地域振興局局長
宮原 渉 様
諏訪湖漁業協同組合
代表理事組合長 武居 薫
諏訪湖生態系の回復に係る要望書
〔主旨〕
「諏訪湖生態系の回復への施策」を直ちに実行していただきたい。
《具体的要望事項》
壊滅的打撃を受けている「諏訪湖生態系」の回復に向け、諏訪湖創生ビジョンに謳われている施策に関し、下記について文書での回答を求めます。
記
1、県組織内調整を含め、進捗管理の責任はどこにあるのか、具体的に示されたい。
2、諏訪湖の管理権限を有する長野県として、どのような方向・方針で施策を進める目論見か、明ら
かにしていただきたい。
3、諏訪湖創生ビジョンにおいては、「20年後の姿」及び「策定後5年間の取組」が明記されている
が、実行されていないものも多々ある。
今後、どのようなタイムスケジュールで施策に取り組むのか、明らかにしていただきたい。
4、本年度、策定が進められている「第8期諏訪湖水質保全計画」においては、令和4年3月に策定
された「第8期琵琶湖水質保全計画」のように、《良好な水質と豊かな生態系を両立する新たな水
質管理手法》を導入するなど、水質保全計画を水質の維持改善に留まらせず生態系の復元・回復に
結びつける考えはないでしょうか。
以上
令和4年(2022年)8月17日
諏訪湖漁業協同組合
代表理事組合長 武居 薫 様
長野県諏訪地域振興局長
回 答 書
令和4年8月4日付け4諏湖漁組第53号の要望書については、下記のとおりです.
1 進捗管理について 、・ ・、
諏訪湖創生ビジョン推進会議規約(以下「規約」という。)第3条第7号により、進捗管理に関することは、諏訪湖創生ビジョン推進会議(以下「会議という。」において担うことと規定しています。年度当初に会議を開催し、構成員間で取組状況を確認することを通して、進捗を管理しているところです。
規約上では、第5条により会議に会長を置き、会務を統括することとしており、現在、諏訪湖クラブ会長の沖野外輝夫氏が就任しています。また、規約第10条により、会議の円滑な運営のため事務局を置くこととしており、現在、諏訪湖クラブと諏訪地域振興局が官民協働してその役割を担い、事務局長として諏訪地域振興局長が就任しています。
引き続き、会議の運営を通して進捗管理に努めてまいりますので、何卒御理解、御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
なお、諏訪湖創生ビジョン推進に係る県組織内の調整につきましては、諏訪地域振興局長が他の現地機関を統括し、課題解決に向けてリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。
2 施策推進の方向、方針について
長野県は一級河川諏訪湖の管理者として指定されており、その事務を所管する諏訪建設事移所では、河川法の規定に基づき、災害発生の防止、河川の適正利用、流水の正常な機能維持、河川環境の整備と保全がなされるよう施策を推進しています。
また、諏訪湖に関連して法令に基づくざまざまな個別計画が定められており、県の各機関において.各々に規定する目的や成果指標の達成を目指し、施策を推進しています。
諏訪湖創生ビジョンは、これらの各種計画を取り込み、長期ビジョン「人と生き物が共存し、誰もが訪れたくなる諏訪湖」の実現に向け、県、市町村、地域住民、企業等が協働し、地域が一体となって諏訪湖を創生するための拠りどころとなるものとして位置付けています。
3 施策のタイムスケジュールについて
これまでも長期ビジョン「20年後の姿」の実現に向け、年度当初に「策定後5年間の取組」ごとに事業計画を立て、構成員が各々の取組を進めているところですが、引き続き、それぞれの施策を適切な時期に実施してまいります。
なお、諏訪湖創生ビジョン「1.3.計画の期間」において5年ごとに施策を見直すこととしており、現在、その検討作業を進めているところです。貴職におかれましても具体的なアイディア等を御提案いただくなど、諸課題の解決に向け、ともに取り組んでいただければ幸いです。
4 第8期諏訪湖水質保全計画について
現在、環境部水大気環境課においで当該計画の策定作業を進めているところですが、先日開催された長野県環境審議会第8期諏訪湖水質保全計画策定専門委員会において、学識経験者からも生態系保全の重要性に係る意見が出されています。 7
今回、貴職から貴重なご意見をいただいたことをしっかりと受け止め、当該計画を所管する環境部水大気環境課に伝えてまいります。
★3 回答書に対する漁協コメント
令和4年8月17日付4諏地企第40号回答書に対するコメント
諏訪湖漁業協同組合
代表理事組合長 武居 薫
1 進捗管理について
①「構成員間で取組状況を確認することを通じて、進捗を管理しているところです。」
特に今回要望しました生態系の改善には、基盤としてのハード面の環境の整備・改善が必要であり、それがなければ私どもが放流や生息環境の改善策を講じることは不可能です。
②「県組織内の調整につきましては、諏訪地域振興局長が他の現地機関を統括し、課題解決に向けてリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。」
地域独自の予算措置も可能となった中で、現地機関内での施策の改善・再検討が行われていないことが創生ビジョンに謳われた計画が進行していないことの大きな要因だと考えています。
2、施策推進の方向、方針について
「年度当初に「策定後5年間の取組」ごとに事業計画を立て、構成員が各々の取組を進めているところですが」
「諏訪湖に関連して法令に基づくさまざまな個別計画が定められており、県の各機関において、各々に規定する目的や成果指標の達成を目指し、施策を推進しています。諏訪湖創生ビジョンは、これらの各種計画を取り込み・・・」
また、県の現地機関複数部局が構成員として名を連ねていますが、一般には『県の機関』として一 体に捉えられますし、実際、県の施策としての予算執行の中で行われています。この調整役が振興局 長であるはずです。県の各機関の施策を一般の構成員と同列に扱うことはできません。
先進事例の琵琶湖では、「マザーレイク」のスローガンのもと、県が各種計画を一体化した形で強 力に推進して実をあげたように感じられますが・・・。
3、施策のタイムスケジュールについて
「5年ごとに施策を見直すこととしており」
ビジョン策定当初は予算策定の日程に応じた意見交換もしていただきましたが、近年はその機会も なく、推進会議の場は各構成員の取組報告のみとなっており予算措置に反映することはなかったと認 識しています。
4、第8期諏訪湖水質保全計画について
代表理事組合長 武居 薫(岡谷市) 代表監事 花岡義樹(岡谷市)
専務理事 笠原一俊(諏訪市) 監 事 有賀 章(諏訪市)
理事(漁場管理者) 原 三雄(岡谷市) 監 事 宮坂良一(下諏訪町)
理 事 小高義照(諏訪市)
理 事 藤森一彦(諏訪市)
理 事 北澤重秋(諏訪市)
理 事 田中正男(下諏訪町)